サプリメント
世はサプリメントばやりである。テレビでサプリのCM を見ない日はない。
ヒアルロン酸で膝の痛みがよくなる、コラーゲンでお肌がぴちぴち、ウーロン茶で脂肪を燃やしてくれるなどありがたい効能がいっぱいである。
これなら、みんな健康で美しく、長生きするはずであるが、そう、話は甘くない。そもそも、サプリは食品扱いである。努カもせず、食べ物だけで、調子がよくなるわけがない。サプリについての本ではほとんどのものにその効能に科学的根拠がありませんと書いてある。
ある糖尿病の患者さんが、血事告値を下げるという高価なサプリを大量に購入したのでもうお薬はいりませんといってきた。説得したのだが、テレビであれだけ宣伝しているといって意志は固く、糖尿病の薬を止めてしまった。一生飲み続けなければならない薬というのがいやなのでということだったが、医師の言葉より、テレビの宣伝の方が、信頼があるということに落ち込んでしまった。一ヶ月数万円もするサプリの効用はどうだったのだろうか?果たして、数か月後、自信満々で来院されたが、見事に糖尿病は悪化していた。血液検査の数値をみても信じなければどうしようもないが、そこまでは盲信はしていなかったようで、薬を再開することになって、ほっとした。
最近、医院むけサプリのダイレクトメールがよく送られてくる。内容はビタミン剤から
プラセンタまでさまざまであるが手を出したことはなかった。ただ、妊婦さんや骨粗怒症向けにカルシウムせんべい、鉄せんべいを薬の卸さんより購入したことがあった。味も悪くなかった。しかしながら、納入価が高く、たかがせんべいに1000円以上の値段を付けるわけにもいかず、10%ぐらい上乗せして販売したが、消費税や、期限切れなどが出ると、足が出て、とても採算には乗らなかった。卸を通さず、直接生産元より購入しようとしたが、ことわられて、販売を止めてしまった。
ある患者さんがこの頃、身長が縮んで、代謝的な異常がないか心配で気になる、縮むの
をどうにかしたいといってきた。大病院に紹介して代謝的な異常がないか調べてもらったが、やはりなにもなく、年齢のせいでしょうと一蹴されて帰ってきた。あまり落ち込んでいるので気の毒になって、サプリの中に成長ホルモンの分泌を促すというものがありますよといったら、飲んでみるという。サプリだから効果は保障されまぜんよと説明したが購入することになった。結構高価なうえに、最低購入量が5箱で最低これだけは飲んでもら
うことを納得してもらったが、2箱飲んだところで、効果ないようだから止めるといってきた。無理に買わせることもできないので、3箱もてあますことになった!。他の患者さんに売るわけにもいかず、そのままになって、忘れていたが、1年ぐらいして、その息者さんがあのサプリまだありますかという。腰痛で整体にかよっているが、そこの先生にサプリの話をしたら服用したらよいと言われたという。それで購入するということであった。これはありがたいと思ったが、これには裏があった。患者さんいわく、もうすぐ、期限切れでしょう。全部で1箱分の値段でお願いしますということであった。残してもしょうがないのでそのようにしたが、いっぽい食わされたのだろうか。
(ある日のDr,Qの診察室日記より)  ※これはフィクションです。
 ←前のページへ コラムトップ 次のページへ→

スマートフォンサイトへ